坂井牧師の「牧会通信」
No51-60
毎週の週報に掲載されているミニコラムです。日々の生活や、教会の内外の皆様との交流の中で感じたことや、目指すべき教会像などなど、牧師の心にあることを皆さんにお伝えしています。
No.51 (2021年12月26日)
湘南恩寵教会の10の『こうありたい』
今年から開始したこの「牧会通信」、なんとか一年やりとげることができました。その時々に大事だと思うことを書いていたら、いつのまにか一年でした。特に後半は、金曜祈祷会の内容とリンクして「教会に生きる」というテーマを意識して書いてきました。そういえば先週、皆さんの週報ボックスに「湘南恩寵教会の10の『こうありたい』」という文書をお届けしました。これは小会で練り上げた教会ヴィジョンではありませんが、牧師としての私の理想と目標を、分かりやすいかたちでまとめたものです。いずれどこかで、教会全体で分かち合いたいと思っています。ここに示されているのは特別なことではなく、どの教会にも共通することであり、実はこれまで、熊本でも勝田台でも同じものを作成してきました。当たり前の教会の姿を当たり前に実現していくことを願いながら、今年一年の奉仕を重ねてきました。一年間、ありがとうございました。
No.52 (2022年1月2日)
神がくださったスタートライン
新年明けましておめでとうございます。新しい年の始まりには、自ずと気持ちが引き締まります。キリスト者にとって新年は、1月1日ではなくアドベントの始まりの時だなどと言われたりもしますが、いずれにせよ暦それ自体に特別な力が宿っているわけではありません。イエス様は、昨日も今日もいつまでも変わらない方ですから、私たちは暦にとらわれる必要はありません。でも、いつまでも変わらないイエス様を、いつまでも変わらず愛し続けることができるほど、私たちは強くはありません。だから神様は、私たちの弱さへの配慮として暦を与えて下さって、気合いを入れ直すためのスタートラインを設定してくださっているのだと私は思います。「さあ、ここからまた新たな思いで共に歩んでいこう」と招かれています。皆さんもそれぞれに今年のテーマ聖句など設定されたかもしれません。ちなみに私は、 マタイ25:40を今年のテーマとしたいと思います。その話はまた来週!!
No.53 (2022年1月9日)
「小さい者」を軽んじず
今年の私の個人的なテーマ聖句は、マタイ25:40です。「わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」との言葉を大切に受け止め、一つひとつの出会いに誠実であることを心がけたいと思います。 この数年、多方面での奉仕に従事し、どうしても事柄の優先順位をつけねばならないこともあって、小さな声・弱い声に丁寧に耳を傾けることに鈍くなってきているように思い反省しています。物心・霊肉の「飢え渇き」を覚えている方のケアには時間がかかります。心病む方、ご高齢の方、難しい年頃の若者たち・・主は、そのような「小さい者」への魂の配慮を求めておられます。でも忙しさの中で、そのために十分な時間を割けていない己の現状に気付かされ、悔い改めを覚えています。
No.54 (2022年1月16日)
ウェストミンスター小教理問答の新訳
年初より、「ウェストミンスター小教理問答」を礼拝の中で交読しています。ウ信条は日本キリスト改革派教会の憲法でもありますから、改革派教会で信仰を育まれた皆さんにとっては、親しみ深いものだと思います。ただし今回は、新しい翻訳を用いています。ウ信条研究の専門家であり、神戸改革派神学校教授、また憲法第一委員会メンバーの袴田康裕先生による新しい翻訳を用いています。現在、改革派教会では、ウ信条の「教会公認訳」を定める準備をしています。そしてその公認訳のベースとなるのがこの袴田訳です。いきなり第一問から、「神の栄光をあらわす」でなく「神をたたえる」とするなど、最新の研究に沿った大胆な変更も施されています。
No.55 (2022年1月23日)
長老・執事選挙のために
私たちの教会には、それぞれ二名ずつ長老・執事が与えられています。この四名の方の献身的な奉仕によって、毎週の礼拝を中心とした教会の営みが滞りなくなされています。主にあって心からの感謝と敬意をいつも覚えます。今年の会員総会では、 長老・執事の選挙がなされます。どちらも重要な選挙ですが、特に長老選挙の重要性について、ここでは確認いたします。長老主義は「長老たちの会議(=小会)」による決定を通して主イエス・キリストのご支配がもたらされると信じる教会政治の形態であり、小会に与えられる権威・権限が大変に大きいものです。しかし、その自分たちを治める長老たちを自分たちで選ぶという点に、教会員の特権と責任があり、そのためにこそ会員総会というものが存在します。そのような現住陪餐会員としてのお一人お一人の特権と責任について、深く思い巡らしていただき、熟慮と祈りをもって長老および執事の選挙に臨んでいただきたいと願っています。
No.56 (2022年1月30日)
決算と予算
会員総会に備えて、決算報告と予算案の承認ということの大切さについて覚えましょう。決算報告は、昨年一年間の教会の活動を、会計の面から振り返ることです。 そこでは、ささげられた尊い献金が適切に用いられたのかを厳しく問う姿勢も必要ですが、それ以上に大切なのは、一年の活動が経済的に支えられた恵みを感謝し、互いの献身を励まし合うことだと私は思います。同時に、会計担当の大変な重荷を担ってくださった執事方に、主にあって感謝と敬意を表し、その奉仕のために祈るということをしていただきたいと願います。また予算案は、単にお金の問題ではありません。予算を立てるということは今年度の計画・ヴィジョンの立案と深く関わるものです。具体的な計画は、具体的な予算案を必ず伴います。今年わたしたちの教会は、どんな計画と祈りをもって活動しようとしているのか、そのためにどこにどれだけのお金を用いようとしているのか。そのことを、みんなが真剣に考え、協議し、納得した上で予算案が承認されるならば、主は必ずその熱心を祝福してくださるでしょう。
No.57 (2022年2月6日)
なぜ茅ヶ崎を伝道地として選んだのか
1月30日の説教の中でも触れましたが、30年前の開拓伝道のはじまった当初の文書を読み返していて教えられたことがたくさんありますので、皆さんとも共有したいと思います。東京恩寵教会の全面バックアップで、中会・大会的にも注目されて始まった湘南恩寵教会の伝道です。東京西部や、同じ湘南でも藤沢なども候補に挙がっていたようですが、伝道地として最終的に茅ヶ崎の地が選ばれたのはなぜか。
「湘南地域南部の古い伝統的地域と北部の開発地域どちらをもカバーでき、どちらからも人々が集まり教会を形作っていく可能性のある地域。・・・広い県央(神奈川県中央部)をも視野に入れることができる地域(JR茅ヶ崎駅は、県央を貫いて 八王子までのびているJR相模線の起点)。そして古くからの東海道本線沿線をカバーでき、しかも快速電車が停車する駅。こういったいくつかの要素を満たす地域」として、茅ヶ崎が選ばれたということでした。(95年5月「心を合わせて」より)
No.58 (2022年2月13日)
「勢いがある!」
先週から30年前の開拓期の頃の文章を分かち合っています。「礼拝を中心とする伝道」によって、教勢は順調に伸びたと記録されています。こんな言葉もありました。「私どもの中の多くの者たちが持つ現在の伝道所の印象は、『勢いがある!』というものではないでしょうか。この勢いは決して一過性の打ち上げ花火的なものではないと私は信じています。・・・受洗・転加入時の誓約の第五条「最善を尽くして教会の礼拝を守りこれを支持し、維持すること」の誓約を、それぞれの立場で、誠実に主と向かい合っていられる。 これが『教会の勢い』の最大の要因であると思います。その結果として、 教勢全般の大きな伸びにつながっております。おそらく、ここ数年の私どもの歩みには、改革派教会という教派のみならず、キリスト教会全体の中でも目を見張る勢いがあります。」(98年12月「心を合わせて」より)
No.59 (2022年2月20日)
「献金」についての教え①
私たちの教会は今年、「恵みの感謝と新たな献身」との標語をいただきました。それは教会の営み全体を方向付けると同時に、ひとりひとりの今年の歩みを規定するものでもあります。そしてこの標語を具体的な信仰生活の中に落とし込んでいこうとするならば、「献金」という礼拝行為を考えずにはいられません。これから月一回のペースで、献金についての教えをお伝えしていこうと思います。献金は、義務的な会費ではありません。自分の信仰の重要な 表現手段であり、信仰生活が成熟していくための恵みの道です。教会というのは、会員それぞれの自由な意志による献金によって成り立っています。 私たちは、自分を救ってくださったイエス・キリストに対し、感謝と、献身の思い(=キリストのために生きたいという思い)を表現するために、献金をいたします。それは、自分の人生をささげるということの象徴的行為です。
No.60 (2022年2月27日)
今は祈るべき時
今は、祈らねばならない。祈るべき時であるとの思いが、与えられています。
① ロシアによるウクライナ侵攻という悲しむべき出来事がありました。各地で ウクライナのための祈祷会も持たれています。平和のために祈りましょう。
② 依然として続くコロナ禍の収束のために。特に、3月末に開催が予定されている 大中会の中高生キャンプが開催できますように祈ってください。
③ 夕礼拝で、「十戒」の学びを終えました。集っておられる方々からの反響も大きく、実り多い学びに感謝します。今週からは「主の祈り」が始まります。理解が深められることで、祈りの姿勢そのものが整えられることを願います。
④ 思うところあって「祈りのカレンダー」を作成しました。祈祷会も持てない中ですが、教会みんなで心を合わせて、牧師と共に祈ってほしいのです。